2008年5月14日水曜日

信頼

僕は学部(大学)の第2外国語にロシア語を選択して学習していましたが,ロシア語というより,ロシアに関する印象的なエピソードを二つ覚えています:

  • ロシアのビルには,部品が盗まれて,しかも直されずに動かないエレベータがたくさんある.
  • ロシアの友人に普通に手紙を出すと,まず途中で紛失して届かない.書留にすると届きやすい.


ぐっちーさんのブログエントリ「日本ブランド」に,日本の社会の中にいかに信頼が当たり前のようにあるか,海外ではどうか,という話が書かれています.信頼できない社会ではこういうコストがかかる,あるいはこういう工夫が要る,という具体例が面白いです.たとえば中国では:
ワンさんがレストランでイセエビをご馳走してくれる時には必ずイセエビを持ってこさせて、自分の選んだイセエビのひげを折るのです。そして折った位置を指ではかる。つまり厨房で違うやせたイセエビに摩り替えられるのが日常茶飯事なのでこういうことが必要だと言う訳です。
また,サービスに要求するレベルが高水準なインド人は:
インド人の親友のラージから教わった思わずうなった、究極の手段があるのです。あまり悪用して欲しくないのですが、要する彼は飛行機に乗ったらすぐにコメントカードを取り寄せるというのですよ。

普通、サービスがひどいとかCAの態度が悪い、とか腹を据えかねてコメントカード下さい、と成る訳。エアライン側もそんなもん出されたらディモーションの対象になってしまうので必死に誤って勘弁してもらう、ってことになる。ところがラージは乗ってすぐリクエストするという。

何もサービスをされていないうちにコメントカードよこせ、と言う訳だからなぜですか、と必ず聞かれますね。そうすると「いや、いいサービスを受けた時に好かったよ、とコメントしなきゃいけないから先にもらっておくんだよ」、と答えるのだそうです。

インド人、恐るべし。これでは文句のいいようがありませんし、あの客は先にコメントカードを握っていると思えば嫌でもケアせざるを得ないですよね。本当に頭がいい、というとともにラージは「こうでもしないとインド人は絶対に働かないんだよ」、と言う訳。


逆から見ると,日本人が海外で無防備な振る舞いをすることが多いのも,国内の安全さを当然のものとして受け入れているためかもしれません.

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