2009年1月10日土曜日

SSDの進歩が早すぎて困る

デジタルの世界にはムーアの法則という名の,「半導体の集積度は18ヶ月ごとに倍増する」という経験則があります.インテル社創立者の一人ゴードン・ムーアさんがこの法則を提案したのは1965年だそうですが(1965年に述べたのは「毎年倍増」だったが,10年後に「18ヶ月ごとに倍増」に修正),40年以上この法則の通りに半導体性能は進歩し続けています.

半導体性能の他にも,以下のようなこの種の経験則があるそうです:

  • クライダーの法則:「ハードディスクの単位面積あたりの記憶容量は2年で倍増する」
  • ギルダーの法則:「光ファイバーの帯域は半年で倍増する」


以上は池田信夫先生の「過剰と破壊の経済学」を参考にしました.この本のギルダーの法則のくだりでは
これまでの経験則では、半導体の技術進歩がもっとも速く、他の媒体を代替してゆく傾向が見られる。ハードディスクがそれに次ぐが、今後は小容量のハードディスクは半導体メモリに代替されていくだろう。たとえばアップルのiPodでは、フラッシュメモリの記憶容量が8ギガバイトまで拡張されており、耐久性や信頼性などの点でもハードディスクより有利だ。フラッシュメモリが大容量化すれば、光ディスクと競合する可能性もある。いろいろな拡大ムーア法則と比べても、ムーアの法則はもっとも速いのである。
と書かれていますが,実際に最近は書き込み速度を100倍にして寿命も増やす技術ExtremeFS(去年11月)が出てきたり,512ギガバイトの高速SSDが発売されたり(去年12月),ExtremeFSを実際に使った安価なSSDが発表(今月)されたりと,フラッシュメモリ性能はとんでもない勢いで発展しています.フラッシュメモリの性能進歩について何か名前の付いた法則は無いのかな.

僕が1年以上前に購入したシャープのポータブルプレイヤーはフラッシュメモリ512メガバイトだし,携帯電話に入れているマイクロSDカードは512メガバイトです.どんどんフラッシュメモリが安くなってきている今日この頃ですしプレイヤーは最近挙動が怪しくなってきたので,どちらも買い換えようかと検討中なのですが,今買うとちょっとあとにもっと良い性能で安いものが発売されるんじゃないだろうか…と躊躇しています.このあたりはパソコンの性能と同じですね.

かのスタパ齋藤さんも,4800円のBUFFOLO製ノートPC用16ギガバイトSSDについて触れた折,
で、16GBで4800円の件。16GBと言えば、だいたい16000MBじゃないですかぁ。フロッピーディスク1万6000枚分じゃないですかぁ。だったらメモリチップよりフロッピーディスクのほうが価値がある!! って話じゃなくて、登場したと思ったら一瞬で右肩下がりの価格低下ですな、 SSD。

 きっと、あ~今年のアタマは忙しかったニャ~とか言って桜の季節を迎えたりすると、もっと下がってんでしょうな価格が。そして夏とかになると「え? ナニそれ? 16GBのSSDって存在してたの!? マジすか(笑)!!」という状況になったりして。そんなに急速に状況が変わらない気もするんですけど、一昨年~去年あたりのSSDの容量・価格変化を思い返すと、実際はもっと急激に変わったりしてネ。
と書かれています.僕はあまり物を買わない人間ですが,スタパさんは(仕事&趣味で)買いまくる方ですから,僕以上に色々お考えなのでしょう.

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