石原都知事のフランス語に関する発言に対する訴訟による裁判がこないだやっと終わったそうです:
石原慎太郎東京都知事の「フランス語は数を勘定できない」などの発言で名誉を傷つけられたとして、フランス語の学校経営者ら22人が知事と都に謝罪広告と慰謝料を求めた訴訟の上告審で、最高裁第二小法廷(竹内行夫裁判長)は30日、原告の上告を退ける決定をした。経営者ら敗訴の一、二審判決が確定した。こんなことで最高裁まで争える意欲は凄いと思います.飲食に関することには一億総火の玉になる国の民としては,まだどぶろく裁判の方が理解しやすいなあ.
上記のフランス語裁判の判決の是非には正直興味が持てませんが,フランス語の数体系というのは何やら凄いようです.僕は第2外国語にフランス語を取らなかったので,このページを見て初めて知ったのですが,1から16まで普通に数えるのに,17からは急に10+7になり,17進法かと思えばそうではなく20からは普通に10進法…かと思えば71から76までは60+○だし,その先は60+10+7になるし,次は4×20+○,その次は4×20+10+○でもうフランス語で数字を考えるのに絶望しそうになった頃にしれっと普通に100が来る…というものです.
こんなややこしい数字を考え方をしているのに,あるいはこんな考え方をしているため頭が鍛えられるのか,フランスは数学大国のイメージがあります.ウィキペディアの「Category: フランスの数学者」をざっと眺めるだけでも,
アダマール変換,エルミート行列,ガロア群,コーシー列,コリオリの力,ジョルダン標準系,ダランベールの原理,パスカルの三角形,フーリエ変換,フェルマーの最終定理,ポアソン分布,ポアンカレ写像,ボレル集合族,ド・モアブルの定理,ラプラス作用素,ルジャンドル変換,ルベーグ積分…とフランス数学者由来の数学用語が,僕が知っている範囲内だけでもたくさんあります.ただしド・モアブルのように,生まれ育ちはフランスであるが業績のほとんどが亡命先,というような人も含まれています.
もっとも,フランスのライバルドイツにも,ドイツの天敵ロシアにも教科書掲載クラスの数学者は多いですし,フィールズ賞の受賞者数で言えばイギリスにもアメリカにも多いです.よってフランスだけが数学大国というわけではないのですが,どうも個人的にはフランスは数学大国イメージが強いです.
ちなみに,日本人は観念的・抽象的な物を理解することが苦手な民族だそうで,数学では他の分野よりもやや苦戦している印象があります.ノーベル物理学賞,化学賞の受賞者数はそれぞれ7人,5人ですが,フィールズ賞の日本人受賞者は3人です.
日本人数学者由来の数学用語は…僕はあまり知らないなあ.伊藤清先生の伊藤の公式(Ito's rule),伊藤過程(Ito's process)ぐらいか.もしご存じの方がいらっしゃれば,是非ご教授ください.
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