2008年2月15日金曜日

一番

変人偏屈列伝という漫画に球聖ことタイ・カッブの生涯を記した章があります.僕はこの手の変人偉人が,身近にいたら迷惑だけど,どこか理解できるという点で好きなのですが,特に好きなシーンが:

(自分より先にシャワールームに入ろうとしたチームメイトの手をバットで殴りつけて)
「てめ――― ナメるなよッ!
誰が先にシャワーを浴びていいって言ったッ!?一番先にシャワーを浴びるのは…!!

一番多く打ち!一番速く走ったこのオレだッ!
オレは一番が好きなんだッ!シャワーだって帰るのだって一番だ!
打てねえ てめーはオレのあとだッ!わかったかッ!!」
技巧を尊びベーブ・ルース以降ホームランがもてはやされる傾向を嘆いていた野球選手とは思えない,この幼稚な言動が面白い.もっとも周囲の人間からすれば迷惑な選手だったでしょうが.

そういえば僕はよく小学校の社会の授業中に資料集末尾の国別統計量を見て,「なんで日本は一番の項目が無いんやーっ」と一人勝手に悶えておりました.面積とか人口とか….小学校の頃の僕は身長順に並んで一番前(=一番チビ)なのを喜んだりするぐらい一番バカでしたから,こんなことにも真面目に悔しがっていました.

後に皇室(世界最長家系王族)とか法隆寺(世界最古木造建築物)とか世界一低い火山とか,意外に世界一が多いことを知ることになりましたが.世界一の一覧なる項目を見ていると,結構日本の地名や日本に関連した項目が多いですね.やっぱ一番良いよ一番.一覧の中の日本がらみで一番「スゲーッ」って思ったのが金剛組西暦578年創業の世界最古の企業だそうです.1578の間違いじゃないですよ,なんせ聖徳太子の頃からあるんだもん.

世界一の一覧では科学系の「一番」がダントツに数値が凄いです.砂糖の22万倍甘いラグドゥネームとか電極幅5nmとか.他の項目だったら,山の高さが平均の22万倍とか,皇室は某国王室の22万倍長く続いてますとかはなりません.

ちなみに外務省のページで紹介されているおそらく唯一の一位項目は産業用ロボット稼働台数の多い国です.鉄腕アトムの国やからまあ多いやろうとは思っていましたが,2位のアメリカの4倍以上です.これは2005年の統計ですから,アメリカが金融偏重にシフトして製造業がドンドン衰退してる今では,この差はもっと開いているかもしれません.

ちなみに海外のアニオタから見た日本は「住みづらそう」だそうですが,
あの国は奇妙すぎる。
っていう声になんだか嬉しくなってしまう僕は変態かもしれません.個性が大事ダヨ!という教育を真面目に信じて育ったためか,奇妙とか変っていう評価に嬉しく感じることがあります.

まあ国云々なんか,宇宙の壮大さに比べたら塵芥に等しいけどね….


追記(2月17日)
科学関連の数字がダントツに凄い,と書いたのですが,事実は小説よりも奇なりアフリカ経済は科学よりも奇なりと言うべきでしょうか,今現在のジンバブエのインフレ率はもはや天文学的数値で,いずれ「世界一の一覧」に載りそうです.ジンバブエ中央銀行の発表数値が2007年12月で6万6212%(経済専門家や大統領批判勢力の推測数値はなんと15万%)で,「1000万ジンバブエドル」が刷られているそうです.

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